・電極を外気に曝すことなく電解質溶液から超高真空に持ち込む複合装置を開発し、燃料電池反応研究に応用。
・この装置を用いることで、電極表面上の吸着種(反応中間体)や触媒の電子状態を光電子分光法により電極電位の関数として精密に解析が可能。
・溶液から引き上げる際、電解質溶液の気化潜熱を利用し急速冷凍させることで、電極表面上に形成される電気化学二重層構造を真空中に保持させることに成功。
Chapter 4 in "Fuel Cell Catalysis and Biocatalysis: Theory and Fundamentals", Wiley (2010).
ISBN: 9780470410295
燃料水素中に含むまれる微量のCOがPt触媒に強く吸着し、燃料電池性能を著しく低下させる。COが吸着した電極表面の精密な電子状態を解析することで、COの吸着力が弱い白金系電極触媒を簡単にスクリーニングする新たな指標を見出した。
J. Phys. Chem. B, 175, 23489 (2006). 被引用250件。
酸素還元反応、アルコール酸化反応、触媒劣化反応において、触媒表面上の吸着酸素種の同定・定量は極めて重要。光電子分光法により原子レベルで表面吸着酸素種の解析に成功し、Pt電極の表面酸化過程の表面構造依存性を初めて明らかにした。
J. Phys. Chem. C, 112, 2750 (2008). 被引用123件。
Lamgmuir, 25, 1897 (2009). 被引用109件。
燃料電池にはPt基合金ナノ粒子触媒が用いられている。燃料電池反応の指数面依存性を理解するためには、単結晶電極の利用が効果的である。るつぼを用いずに任意組成の固溶合金単結晶を簡単に作製する方法を考案し、燃料電池反応研究に応用した。Pt3Co(111)単結晶が単味Pt(111)単結晶に比べて25倍以上の酸素還元活性を示すことを見出した。
Electrochem. Commun., 13, 317 (2011). 被引用22件。
Electrochem. Commun., 67, 47 (2016). 被引用6件。
走査型トンネル顕微鏡(STM)は究極の分解能を持つプローブ顕微鏡である。STM観察によりPtの表面酸化過程および電位サイクルによる表面劣化機構を明らかにした。
PCCP, 12, 4184 (2010). 被引用68件。
Pt(100)面およびPt(110)面上のCO吸着構造を原子レベルで初めて明らかにした。
Chem. Commun., 21, 2710 (2005). 被引用26件。
Langmuir, 26, 4184 (2010). 被引用11件。